手足のしびれや痛み・腰痛は、脊椎・脊髄疾患の症状の一つです。
脊椎・脊髄疾患は、背骨や神経・脊髄の病気で、主に老化によって引き起こされ、近年、患者さまの高齢化と共に大幅に増えている病気です。
主な疾患には、頸椎症（神経根症、脊髄症）、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊椎分離症・すべり症、脊柱変形（側湾症、腰曲がり症）などがあります。

脊椎・脊髄疾患以外の手足のしびれの一般的な原因として、末梢神経障害が挙げられます。末梢神経障害とは、脳や脊髄から離れた部位にある神経（末梢神経）が損傷したり、機能不全を起こしたりする状態です。その代表例として、手根管症候群があります。
手根管症候群は、手首にある狭い通路である手根管内で、正中神経が圧迫されることで発生する神経障害です。手根管は、手首の小骨で形成されたリング状の構造で、正中神経や指の屈筋腱が通っています。何らかの原因で手根管内の圧力が上昇すると、正中神経が圧迫され、手根管症候群が発生します。
この症候群の主な症状は、手の親指、人差し指、中指、および薬指の半分に感じるしびれや痛みです。